群環体
ABC予想が何かという説明はここでは省きます。 整数論の未解決の難しい問題です。 tsujimotterさんのブログなどを参考にしてください。 これを解決したと言われているのが望月新一さんで使った新たな数学の理論が宇宙際タイヒミューラー理論だそうです。 以…
有限体の要素を作ります。 べき部分が3なので、3次の規約多項式の根を追加する必要があります。 を使います。 係数はなので、です。 計算の仕方はだいたい分かったと思いますので以後結果のみを書きます。 有限体の乗法群は元の数が26(=27-1)個あり全ての要…
整数係数の1次元n次多項式で最大次数の係数が1のもの の根となる複素数を代数的整数(algebraic integer)と呼ぶ。 代数的整数 - Wikipedia代数体Kの元のうち、代数的整数のみを抜き出した集合を整数環(ring of integers)と呼び、と表す。 有理数係数の1次元n…
体Lの自己同型のうち同型群 を考える。 体Lを体Fの有限次拡大とする。 体Fの全ての要素を変更しない拡大体LからLへの自己同型群の全てを要素とし、 演算をこの群の合成としてガロア群 Gal(L/F)と定義する。 は自己同型群 命題1. Gal(L/F)は合成に関して群を…
群の定義 集合Gから任意の要素a, bを取り出してそれに対してGの要素cを割り当てる操作(写像ともいう)を c = f(a, b) と表す。 A) 結合律、B) 単位元 C) 逆元 が成り立つとき、これを群と呼ぶ。 A) 結合律 a, b, cを集合から取り出したとき、 f(a, f(b, c)) =…
、 であるとき、f(x)を原始多項式(primitive polynomial)と呼ぶ。 係数の中に一つでも1または-1があれば、原始多項式です。 ガウスの補題(Gauss's Lemma) 2つの原始多項式の積は原始多項式である。 証明はこちら。 原始多項式とその積について | 高校数学の…
定理 複素数体上の多項式を考える。1)と2)は同値である。 1) n次多項式f(x)は重根を持つ。 2) n次多項式f(x)のある根に対しが成り立つ 証明 1) -> 2) と書ける。 微分して、 したがって、が成り立つ。 証明 2) -> 1) 対偶である、「重根を持たなければ、全て…
コーシーの定理(群論) 有限群Gの位数をnとする。nの素因数pを位数にもつ部分群は必ず存在する。 例えば位数)の有限群がある場合、 位数の部分群は存在するということである。
定義 1 Kを体とする。任意の定数でない1変数多項式]に対し がありとなるとき、Kを代数閉体(algebraically closed field)という。 定理 1 Kが代数閉体で、fが の形である場合、 が存在し、である。 拡大体のゆるい定義 2 体Kにいくつかの元を添加して得られた…
ラグランジュの定理を解説します。 ここでは有限群のみを考慮対象とします。 まず、群の定義です。 有限個の元からなる集合Gを考えます。 集合Gから2つの元を選び、に対してを作用させて結果rを得るという操作(演算)を定義します。 この演算をここではで表…
準同型写像に関する元の数についての定理を直観的に理解したいと思います。 G,Yを有限群とする。 群Gから群Yへの準同型写像(Homomorphism)を とする。 すなわち、 をGの任意の元として、 が成りたちます。 ここで左辺のプラスは群Gでの演算,右辺のプラスは群…
素体 を拡大してみます。 を拡大して、拡大体 を作ることにします。 体の拡大には既約多項式を使います。 ここでは、規約多項式を使います。 を作る場合は素数3で割った余りを使うというルールでした。 の元は{0, 1, 2}の3つですが、加法の単位元が0で乗法の…
素体は体であり、元は{0, 1, ..., p-1}のp個あります。 素体という時、pは素数です。 体なので、加法と乗法について閉じているわけですが、乗法演算の部分のみを取り出した群のことを、 素体の乗法群と呼びと書きます。 この乗法群には加法の単位元0は含まれ…
群論における写像の定義メモ。 準同型写像、同型写像、自己同型写像。 写像というのはプログラムで考えると、引数を一つ入力として持ち、戻り値を一つ返す関数だとイメージすることができますが、 要するに関数f(x)のことです。 準同型写像 関数f(x)が f(x)f…
体Kにおいて、n個の1の和 1+1+...+1 が0となるような整数が存在するとき、その最小値を体Kの標数といい、ch(K)と表します。 いくつ加えても0にならない時は標数が0と定めます。 標数は0か素数です。 有理数体Qの標数は0です。 有限体の標数はpです。
拡大体 体とは大雑把に言って、加法と乗法に対して演算が閉じている数の集合のことを指します。 有理数Q, 実数体R, 複素数体Cは全て加法と乗法において演算が閉じているので体と呼べます。 これらは数の集合としては数の存在の密度が高すぎますね。 整数Zと…
有限アーベル群と有限生成アーベル群の違いを直感的に説明する。 アーベル群の正確な定義は述べないが、一つの演算(加法や乗法と呼ぶ)が定義された数の集合としておく。 有限アーベル群とは元の数が有限であるアーベル群である。 例えば、加法として2つの整…
群(group)の定義 ある要素の集まりに対して、一つの演算規則 f を決め、演算結果はまた要素の集まりの一つになっているとします。 a, b, c を要素とします。 1) 全ての要素に対して、結合法則が成り立つ f(f(a, b), c) = f(a, f(b, c)) 2) 全ての要素に対し…