Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT技術、数学の備忘録

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

モジュラー多項式とN-isogenousの関係

定理1 標数 (0でもよい)の任意の体Fを考える。 を素数としとする。 体F上の楕円曲線Eの 不変量を とする。 モジュラー多項式 の 個の根 は体Fの代数閉包 に入っている。 定理2 この は - isogenous 楕円曲線 E/C の 不変量である。 ここでCは等分点の群 の …

複素数体(C)上の同種写像(isogenies), C/LとE(C)は同型

複数数体(C)上の楕円曲線はLattice(格子)によって決まります。 格子は、2つの複素数 の複素ベクトルによって作られます。 が格子ですが、無限個の頂点から成ります。 格子Lという時、点の集まりのことを指しています。 ガウス整数からなる格子と言えます。 4…

ワイエルシュトラスのペー関数(weierstrass p-function)の係数についての漸化式

ワイエルシュトラスのペー関数の係数についての漸化式の導出方法です。 から出発します。 なお、はkが奇数のとき0です。 微分します。 点がついている部分はzの1次以上の項を表します。 ここで、関数f(z)が格子に対する二重周期関数で、極を持たない場合は、…

モジュラー多項式の定義と係数の求め方

とします。これは ではありませんのでご注意ください。 例えば、N=2の時のの集合は、 となります。 以下の式を考えます。 N=2の場合は、 となります。 驚くべきことに、はの整数係数多項式で表せることが知られています。 N=2の場合は、 のように書けるとい…

j不変量(j invariant)

SL(2, Z)とモジュラー性 - Pebble Coding こちらの記事でであることをみましたが、 一般にであることが確かめられます。 , と定義されているので、 同じように、 楕円曲線のデルタの逆数のq展開の係数が整数であることの証明 - Pebble Coding こちらの記事に…

楕円曲線のデルタの逆数のq展開の係数が整数であることの証明

楕円曲線で使われるの逆数のq展開の係数が整数であることの証明が素晴らしかったので、メモしておきます。 についてであることの証明。 ここで、 とおく。 は連続する3つの整数なので3の倍数、連続する2つの整数を含むので2の倍数でもある、したがって6の倍…

SL(2, Z)とモジュラー性

SL(2, Z)のちゃんとして説明はうまくできないので、高校数学の範囲内で特徴を説明したいと思います。 x, yの2次元平面を考えて、x, y, X, Yを整数とします。 線形変換を考えます。 ここでa, b , c, d も整数とします。 これは整数点P(x, y)から整数点Q(X, Y)…

ハッシュ関数の脆弱性

ハッシュ関数とは任意の数のビット列から固定長nのビット列を出力する関数です。 大きなサイズの入力を小さな出力にするわけですから、当然ながら衝突します。 衝突するのに出力のサイズに出来るだけ近い試行回数が必要になっていれば、十分な強度だと言えま…