Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT技術、数学の備忘録

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

楕円曲線の自己準同型

有限体 上の楕円曲線 上の有理点(x, y)を考える。 x座標,y座標はともに0以上p(素数)未満の整数。 2つの点に対する加法を以下で定義すると、この点と加法は可換群(アーベル群)をなすことが知られている。 これを点の加法と呼ぶことにする。 楕円関数の加法公…

数学英単語

数学書に出てくる英単語がわかりずらいので、リストしておく。 homothetic 相似の homothety 相似 codomain 終域 homogeneous 同種の automorphy 自己同型 division polynomials 等分多項式 homomorphism 準同型 endomorphism 自己準同型 isomorphism 同型 a…

swiftとアセンブラ

swiftコードがどのようにアセンブラに出力されているのかをみてみましょう。 Xcodeのプロジェクトで、コマンドラインプロジェクトを生成し、以下のソースをmain.swiftに書き込みます。 import Foundation func plus(_ a: Int64, _ b: Int64) -> (Int64) { re…

群論におけるラグランジュの定理

ラグランジュの定理を解説します。 ここでは有限群のみを考慮対象とします。 まず、群の定義です。 有限個の元からなる集合Gを考えます。 集合Gから2つの元を選び、に対してを作用させて結果rを得るという操作(演算)を定義します。 この演算をここではで表…

準同型写像に関するカーネルの元の数についての定理

準同型写像に関する元の数についての定理を直観的に理解したいと思います。 G,Yを有限群とする。 群Gから群Yへの準同型写像(Homomorphism)を とする。 すなわち、 をGの任意の元として、 が成りたちます。 ここで左辺のプラスは群Gでの演算,右辺のプラスは群…

楕円曲線の有理点の数の求め方 schoof アルゴリズムその1

上の楕円曲線 の有理点個数の求め方です。 ここではSchoofアルゴリズムの理解を目的とし、少しづつ理解を進めます。 まず使うのはHasseの定理です。 Hasse-Weilの定理(楕円関数限定版) - Pebble Coding 有理点の数を#Eで表すと、 が成り立つのでaを求めれば…

素体を拡大する

素体 を拡大してみます。 を拡大して、拡大体 を作ることにします。 体の拡大には既約多項式を使います。 ここでは、規約多項式を使います。 を作る場合は素数3で割った余りを使うというルールでした。 の元は{0, 1, 2}の3つですが、加法の単位元が0で乗法の…