Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT技術、数学の備忘録

整数論

ABC予想と宇宙際タイヒミューラー理論

ABC予想が何かという説明はここでは省きます。 整数論の未解決の難しい問題です。 tsujimotterさんのブログなどを参考にしてください。 これを解決したと言われているのが望月新一さんで使った新たな数学の理論が宇宙際タイヒミューラー理論だそうです。 以…

数論的約数関数(number theoretic divisor function)

数論的約数関数に対して成り立つ恒等式を証明します。 と定義します。 自然数nに対してその約数dについて和をとります。 例: 次の恒等式が成り立ちます。 証明: LHSと比較するにはqのべきが等しいものをまとめる必要があります。 同じべきとなる ij = n は n…

拡張ユークリッドの互除法

pythonの再帰で実装したもの import sys def egcd(a, b): """return (g, x, y) such that a*x + b*y = g = gcd(a, b)""" if a == 0: return (b, 0, 1) else: g, x, y = egcd(b % a, a) return (g, y - (b // a) * x, x) rustではタプルが使えるので、同じア…

中国剰余定理で2式の場合の解を求める

中国剰余定理とは、2式の場合を互いに素とするとき、 を満たす整数xがの範囲内にただ一つ存在するというものです。 xの求め方はこうです。 まずを満たす(p, q)のセットを一つ求めます。 以下のアルゴリズムを用います。 37x+10y = 1 を拡張されたユークリッ…

37x+10y = 1 を拡張されたユークリッドの互除法で解いてみる

37と10は違いに素なので、は整数解(x, y)を持ちます。 この解を求める方法を拡張されたユークリッドの互除法と呼ぶようです。 具体的には、の形でaをbで割った余りをaに置き換える操作を余りが0になるまで繰り返します。 とおきます。 とおきます。 とおきま…

素体上の1変数多項式の商と余り

こちら 多項式の割り算、商と余り - Pebble Coding の1変数多項式の商と余りを拡張し、素体上での計算をみてみます。 (nがxの最大次数)を、 (mがxの最大次数)() で割ることが考えるとき、以下のようにしてxの最大次数を下げていけばよさそうです。 例えば、 …

素体をpythonで実装する

素体 (pは素数)をpythonで実装してみました。 なお、計算効率については考慮していません。 #!/usr/bin/env python3 class F: def __init__(self, p, v): self.p = p self.v = v self.normalize() def normalize(self): self.v = self.v % self.p def __add_…

中国の剰余定理で3つの式がある場合を解く

を解きます。 これを満たすaは0以上、未満に一つしかありません。 とおけます。 とおけます。 が解となります。 一次不定方程式ax+by=cの整数解 | 高校数学の美しい物語

1変数多項式の四則演算をpythonで実装する

1変数多項式の四則演算をpythonで実装してみました。 係数は整数の範囲としています。 加算、減算、乗算、剰余を実装します。 剰余では割られる側の最大次数の係数は1のみに限定します。 以下、実装です。 #!/usr/bin/env python3 from fractions import gcd…

多項式の割り算、商と余り

多項式の割り算、商と余りの求め方をみていきます。 1変数xの2つの多項式A(x), B(x)を考えます。多項式の係数は全て整数とします。 次数の大きい方をA(x), 次数の少ない方をB(x)とし、 ここでは次数の少ない方の多項式の最大次数の係数は1としておきます。 …

ユークリッドの互除法とpython3で最大公約数(GCD)を求める

2つの整数の最大公約数を求めるアルゴリズムとしてユークリッドの互除法があります。 2つの整数を割り算して余りを求める操作を繰り返し、余りが0になったら終了するアルゴリズムです。 pythonで2つの整数の最大公約数を求める関数gcd()を実装したのがこち…

有限群の元のべき乗の位数

ラグランジュの定理 Gが有限群、 ならgの位数は群Gの位数の約数である。 この定理より、以下の定理が導かれます。 gが群Gの位数n>0の元でなら、の位数は である。 例: (65537は素数です)の場合、 の位数は

中国の剰余定理

中国の剰余定理 で m, n は互いに素とする。 つまり、 を満たすはの範囲にただ一つ存在する。 中国剰余定理の証明と例題(二元の場合) | 高校数学の美しい物語 これは、2つの値の場合ですが、もっと拡張します。 を異なる素数とし、 ... を満たすxはの範囲…

mod pでの平方剰余を計算する(p mod 8 = 5) その2

www.pebblewind.com こちらの記事で、平方剰余を計算しましたが、ed25519 においては、aは u/v という形になっています。 u,vの計算量は少ないので、計算効率をあげるため、u,vを用いた掛け算になるように変形します。 (フェルマーの小定理) (余分な項が8の…

平方剰余とは

平方剰余 http://nakano.math.gakushuin.ac.jp/~shin/html-files/Algebra_Introduction/2011/11.pdf について簡単に説明しておきます。 整数aと整数pを与えた時に の式を満たす解xは存在する場合と、存在しない場合があります。 解が存在する時、a は p を法…

B-smooth と B-power-smooth

B-smooth と B-power-smooth の概念を押さえておきます。 B-smooth 任意の自然数Nを素因数に分解すると次の形になります。 ここで、はk番目の素数 {2, 3, 5, 7, 11, ...}を表します。 は0以上の整数です。 ここで最も大きい素数として、 NをB-smoothであると…

ポラードのp-1因数分解法

大きな合成数を素因数分解(factorization in prime numbers)するアルゴリズムの一つにポラードのp-1法があります。 ポラードの (ロー)法とは別モノなので混同しないようにしましょう。 因数分解したい合成数をnとします。 の時、素数pを求めたいです。qはと…

約数記号

整数 a が 整数 b を割り切るとき と書きます。 例: 整数 a が整数 b を割り切らないとき と書きます。 例: であるとき、b は a の倍数であり、a は b の約数であるといいます。

素数を高い確率で高速に判定するミラーラビン判定法

与えられた数が素数かどうかを高い確率で高速に判定するアルゴリズムとしてミラーラビン(Miller-Rabin)判定法があります。 暗号の実装で素数が必要な時にこの判定法が使われることが多いようです。 厳密に素数かどうかを判定する方法として、試行割算法(Tria…

mod pでの平方剰余を計算する(p mod 8 = 5の場合)を実装する

少し前でp mod8 = 5の場合のmod p での平方剰余の計算方法を示しました mod pでの平方剰余を計算する(p mod 8 = 5の場合) - Pebble Coding が、swiftで実装しておきます。 の解は存在すると仮定しておきます。 func quadraticResidue(_ a:Int, _ p:Int) -> I…

mod p での平方剰余を計算する(p mod 4 = 3の場合)

前回 mod pでの平方剰余を計算する(p mod 8 = 5の場合) - Pebble Coding p mod 8 = 5の時の平方剰余を計算しましたが、今回は、 p mod 4 = 3の時の平方剰余を計算してみましょう。 この場合も簡単に計算が可能です。 前回と同じように の解は存在することを…

mod pでの平方剰余を計算する(p mod 8 = 5の場合)

pをある程度限定した素数とした時の平方剰余を計算してみます。 整数論の世界では実数の世界でのルートという言葉は使わないようです。 いくつかの整数論の定理を利用しますので、事前に明示しておきます。 これらの定理は超有名なので、整数論の本に必ず載…

mod p の世界では、割り算をべき乗計算に置き換えられる

フェルマーの小定理でpを素数とすると、mod pの世界では、割り算をべき乗に置き換えられます。 pを3以上の素数としておきます。 フェルマーの小定理 で、pは3以上なので、 と書けます。これは mod p においては、乗算に対して、bの逆元が であることを示して…

オイラーの φ 関数 とフェルマーの小定理

1以上の整数であるmで割った余りの値を同一とみなす演算の世界では元の数はm-1個である。 gcd(a, m) = 1である数aの総数をオイラーの関数と呼ぶ。 小さい方からどのような数なのかみておく。 1: {1} -> 1 2: {1} -> 1 3: {1, 2} -> 1 4: {1, 3} -> 2 (2は除…

高速指数計算法 mod m バージョン

前回書き下した再帰を用いた高速指数計算関数をmod mバージョンにして、7を一般化した数bにしてみよう。 するとこうなる。関数名はpowからexpmodに置き換えた。 func expmod(b:Int, e:Int, m:Int) -> Int { if e == 0 { return 1 } let s = expmod(e/2) % m …

高速指数計算(べき乗)アルゴリズム

ある数の大きなべき数を計算を行う際にできるだけ少ない計算量で行うための方法として、高速指数計算法というものがある。 例えば、 を計算したいとする。ここで のように2の累乗の足し算に分解する。 そして、 を計算する。 この分解をプログラムで行う場合…

安全素数

pが素数であり、2p+1=qも素数である場合、qを安全素数(safe prime)と呼ぶ。 安全という名前は暗号理論に由来する。 https://en.wikipedia.org/wiki/Safe_prime https://ja.wikipedia.org/wiki/安全素数