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ソフトウェアエンジニアによるIT技術、数学の備忘録

群論における写像

群論における写像の定義メモ。
準同型写像、同型写像、自己同型写像。
写像というのはプログラムで考えると、引数を一つ入力として持ち、戻り値を一つ返す関数だとイメージすることができますが、 要するに関数f(x)のことです。

準同型写像

関数f(x)が f(x)f(y) = f(xy)を満たすものを準同型写像と言います。
ここでは群が乗法演算により群になっている場合を考えているのでこのような式になっていますが、
加法演算により群になっている場合はf(x) + f(y) = f(x+y)と考えてください。
準同型写像は性質がいいのです。
どのようにいいかというと、群Gの元を群Hの元に移す写像f(x)が準同型写像で、さらに、
群Hの元を群Iの元に移す写像g(x)も準同型写像だとします。
この2つの関数を連続して行った写像 f(g(x))は群Gの元を群Iに移すと考えます。
するとf(x)f(y) = f(xy)、g(x)g(y) = g(xy)なので、以下のように式変形できます。
g(f(xy)) = g(f(x)f(y)) = g(f(x))g(f(y)) これはg(f(x))の関数が準同型写像であることを示しています。

準同型写像の場合は、群Gの2つの異なる元が群Iの同じ元に移されることがあるので、
逆関数の性質が不定となり、性質がよくありません。
もっと性質が良い写像が同型写像です。

同型写像

関数f(x)が準同型であることに加えて、写像が全単射であるものを同型写像と言います。
全単射とは、群Gの全ての元が群Hに移される時、群Gの元が異なれば、移された群Hの元が異なり、 群G上の全ての元と群Hの全ての元が1対1対応しているとイメージしてください。

自己同型写像

群Gを群G自身へ移す同型写像のことを自己同型写像と言います。