体Lの自己同型のうち同型群 を考える。
体Lを体Fの有限次拡大とする。
体Fの全ての要素を変更しない拡大体LからLへの自己同型群の全てを要素とし、
演算をこの群の合成としてガロア群 Gal(L/F)と定義する。
は自己同型群
命題1. Gal(L/F)は合成に関して群を成す。
証明)
群であることを示すには、
A)結合法則
B)単位元
C)逆元
を示せばよい。
A) 任意のに対して、
なので、
この合成はを満たす。
また、は自己同型なので、その合成も自己同型を成す。(証明は省略)
したがって、合成は、Gal(L/F)の要素になることが確かめられた。
合成は自己同型なので、結合法則を満たす。
B) LをLに写すが要素は変えない群をと書くと、この群はGal(L/F)の要素の条件を満たす。
また、この群は単位元の条件を満たすことが確かめられる。
C) とすると、このは自己同型群なので、その逆写像も自己同型群である。
であるから、となり、
がGal(L/F)の要素の条件を満たすと同時に、逆元であることが確かめられた。
(証明終了)
群自体を群の要素として考えるという点がぶっ飛んでいますよね。数学者凄い。
ガロア群の定義自体には、分離拡大や正規拡大の概念は使っていないという点が重要です。
Galois Theory (Pure and Applied Mathematics: A Wiley Series of Texts, Monographs and Tracts)
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