j関数は重さ0のモジュラーです。つまり、
zで微分します。
ここで、
これを使うと、
これは、
が重さ2のモジュラーであることを意味します。
jの微分がモジュラーになるというのは、Math Overflowという数学専用質問サイトで発見しました。
モジュラー形式その3で示したように、任意の重さのモジュラーはの結合で表すことができます。
重さ2のモジュラーを作るにはk=2=4i + 6jとなるi, jを選べばよいです。
ここで、重さ0のモジュラーであるjで割っても重さは変わりませんので、割っても成り立ちます。
ただし、両辺の極を一致させる必要があります。左辺はj=0で極をもつので、右辺もj=0で極をもつ必要があります。
jとは比例関係にあるので、が分母に来るようにしないといけません。つまり、iは負である必要があります。
もっとも小さい値だと、i=-1, j=1となるので、
となります。
cの値を決定していきます。
から
(式A)
であるときなので、
式(A) =
となります。
であることも分かります。
したがってとなります。
ここで、を使って書き直すと、
となります。
j=1728を極にもつ場合
より、
右辺が重さ0のモジュラーなので左辺も重さ0のモジュラーであることになります。
同じようにで割ったものを考えます。今度はj=1728で極をもつような右辺を作る必要があります。
j-1728はと比例関係にありますので、j=1728で極を持たせるには、は分母にする必要があります。
なので、となります。
cを決定していきます。
を使うと、
q=0とすると、
したがって、
の微分のことを以後j'(q)で表すことにします。