位数nの2つの巡回群の直積の群は位数nの部分群をn+1個持つ。
これ正しいのか一見分かりませんが、低次を計算してみると確かに正しいことが分かります。
部分群をで表します。
また巡回群なのでnは素数です。
n=2の場合。
確かに成り立っています。
n=3の場合。
n=5の場合。
どうやら正しそうです。
これを一般化したものがシローの定理として知られているようです。
ちなみに、直積の群の位数はで、これらの部分群は位数がnであることも分かります。
これは純粋に群の理論から導ける結果ですが、
有限群の閉包 上の楕円曲線Eのn等倍点
は位数nの2つの巡回群の直積になることが知られています。
したがって、個の位数nの部分群がn+1個
存在するということが分かります。
n等倍点(x, y)のx座標は division polynomial を満たします。
division polynomial のxの次数は(nは3以上の素数)です。
一方、この部分群の点(x, y)のx座標は モジュラー多項式を満たすことが知られています。
証明は省略します。ここでjはこの楕円曲線のj不変量です。
モジュラー多項式の次数はn+1なので、部分群の数と一致しています。
n+1個のxの値に対応するn+1個の点はn+1の部分群のそれぞれの元なのではないかと思えてきます。
この部分群については色々なことが言えるのですが、収集がつかなくなりそうなので、ここまでとしておきます。