Pebble Coding

ソフトウェアエンジニアによるIT技術、数学の備忘録

division polynomialと等分点

楕円曲線のn等倍点の多項式(division polynomial) - Pebble Coding

ここで、division polynomial を示しました。
体K上の楕円曲線 y^{2} = x^{3} + Ax + B上の点P(x, y)をn倍(nは整数)した点は、division polynomialを用いて、以下のように書けます。
 n P = ( \frac { \phi_n (x)} { \psi_n^{2} (x)}, \frac { \omega_n (x, y)} { \psi_n^{3} (x, y)})
ここで、n等分点、つまり、n倍したら無限遠点Oになる点( n P = O)のxの条件を考えます。
無限遠点はx, yが無限大ですが、この式の分母で、 \psi_n(x, y)の式が0になっていれば、この条件を満たすことが分かります。
つまり、 \psi_n(x, y) = 0となる、xの値を求めれば、n等分点の全てのx座標が手に入ります。
 \psi_nの最大次数の項だけを書くと、
 n y x^{ \frac {n^{2} - 4} {2}} (nが偶数)
 n x^{ \frac {n^{2} - 1} {2}} (nが奇数)
となっています。
nが素数のときが重要なので、奇数の場合だけを考えます。
3等分点の場合は、 \psi_3(x) = 3x^{4} + ...
7等分点の場合は、 \psi_7(x) = 7x^{24} + ...
11等分点の場合は、 \psi_{11}(x) = 11x^{60} + ...
となります。
次数が2乗で跳ね上がっていくので、計算がきつそうなことが分かりますね。

n等分点の座標(x, y)はKの代数閉包 \overline Kの元となります。
Kが複素数体なら、  \overline Kは複素数体で同じですが、
Kが F_p (p: prime)の場合は
 \overline F_p = F_p \cup F_{p^{2}} \cup F_{p^{3}} \cup F_{p^{4}} ...となります。
ここでは有限体の場合だけを考えます。
体の標数pがnを割り切らない場合、n等分点の集合と加算は群をなし、
 Z_n \oplus Z_nであり、要素数は n^{2}であることが知られています。

有限体