体K上の楕円曲線
体Kの標数は2,3以外とする。
j不変量を
と定義する。
この時、の変換によってjの値は同じになる。
なので不変量という名前がついている。
を格子とする。
ペー関数を
と定義する。
が成り立つ。
である。
と定義すると、A, Bはの関数となる。
j関数を
と定義する。
格子の基底の比率が変わらなければ、2つのこの値は変化しないことが容易に分かる。
これは2つの格子を複素数倍に拡大したものがになっていればよい。
j関数を不変にするような基底の変換は他にもある。
である時、
が成り立つ。
Nを整数として、を次の条件を満たすa, b, dの値の組みとする。
Nが素数の場合はこの組みの数はN+1通りある。
Xの多項式を考える。
Nが素数の場合は、Sの取り方はN+1通りあるので、XのN+1次多項式となる。
驚くべきことにこの多項式のXの係数はで表せることが知られている。
この多項式をと書きモジュラー多項式と呼ぶ。
この多項式はX, jに対して対称であることが知られている。
2つの格子のj不変量を考える。
を満たす時、
2つの格子の間には、ある関係が成立する。
格子の基底を格子の基底の一次式で表した時の係数が整数
であり、である時である。