今度は3等分点を考えます。
まず、複素数体の楕円曲線の標数が2でも3でもないことを仮定します。
標数というのは、こちら
によると、複素数の単位元(実数の1)をn個加算したものが、ゼロ元(実数の0)になる場合のnです。 つまり、複素数体の体演算にmod nが課されている場合を指します。
標数が2でも3でもないとき、その楕円曲線は以下の式で表せます。
3等分点ですから、を満たします。変形して、です。
これは両辺のx座標は等しいということを表すので、
2Pのx座標は、
ここで
-Pのx座標は、なので、これを等しいと置いて、
が得られます。
変形して、
を使うと
これはxの4次方程式です。
このxの複素数解が重根を持たないことを示します。
それには4次方程式の判別式Dを計算します。
=0の判別式は、
とかけます。
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~myoshida/stlasadisc.pdf
ここで、なので、代入していけばよいですが、
分母がでるのがいやなので、27Dを計算していきます。
となり、0にはならないので、重根をもたないことが分かります。
これにより、xが4つの複素数を取りうることが分かります。
点P(x,y)が楕円曲線上にあるとき、点-P(x,-y)も楕円曲線上にありますから、
xが4通り、yが2通りで、8つの点が解であることが分かります。
当然ながら、無限遠点Oも解なので、3等分点は9つあることが分かりました。
これらの点の加算結果をならべて、群がどうなるかを具体的に調べたいところですが、
計算がなかなかしんどいので結果だけを書くと、
となることが知られています。
標数が2や3の場合はまた別の結果になりますが、今回はここまでとしておきます。