Velu's Formulaの証明の最後の部分で悩んでいたのですが、解決したのでメモしておきます。
https://eprint.iacr.org/2011/430.pdf
こちらの説明でeasyだって書いてあり、数学者のeasyはちょっと計算をすればという意味なので、
ちょっとした計算って何だろうと考えたところ、思いつきました。
数学者がclear, obvious, trivialというときは本当に明らかなのですが、easyは信用してはいけません。
Cは楕円曲線Eの部分群です。
部分群に入っていない点を楕円曲線E'に写すisogeny写像をとします。
isogeny写像なので、に対しては、です。
これがisogeny写像であることを示します。
部分群Cの任意の無限遠点でない点を使って、
であることを示します。
x, yどちらも同じなので、xの方だけ考えます。
1項目と和の中の一つを入れ替えます。
和の部分は
をに置き換えられることが分かります。
としているのとCが群なので、どの要素もにならない。
したがって、
つまり、
が言えました。
残りの証明はこちらにあります。
- 作者:Lawrence C. Washington
- 出版社/メーカー: Chapman and Hall/CRC
- 発売日: 2008/04/07
- メディア: ハードカバー
補足
どうでもいいんですが、Exercise 12.6 の(b)の式の一部は分母の冪乗が間違っていますのでご注意。