素体の閉包のイメージを掴んでおきます。
を考えます。この体は0, 1, 2の3つの元を持ちます。
加法の表はこうなります。
0 | 1 | 2 | |
---|---|---|---|
0 | 0 | 1 | 2 |
1 | 1 | 2 | 0 |
2 | 2 | 0 | 1 |
乗法の表はこうなります。
0 | 1 | 2 | |
---|---|---|---|
0 | 0 | 0 | 0 |
1 | 0 | 1 | 2 |
2 | 0 | 2 | 1 |
を考えます。この体は9つの元を持ちます。
9つの元は、例えば、となります。
加法、乗法の表は示しませんが、体となっていることが確認できると思います。
この体は一般的に特定の条件を満たす2次方程式の2つの独立した解をに追加することで得られます。
ここでは、の解である2つの値 を追加しています。
を考えます。この体は27個の元を持ちます。
27個の元は例えば3次方程式の3つの独立した解をに追加することで得られます。
3つの解は
となります。27個の元の具体的な形は想像がつくと思います。
これを繰り返していくといくらでも大きな体が作れることが想像できるでしょう。
この体の元の数はであり、有限個です。
と定義します。
上で作った拡大体を全て結合して極限を取ったものです。
これを代数閉包(algebraic closure)と呼びます。
この体の元の数は無限個です。
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